今回の「メガネのお話」で取り上げるのは、メガネを作るうえでとても重要な数値である「PD」についてです。
皆さんは「PD」という言葉を聞いたことがありますか?
「PD」とは、英語の Pupillary Distance(ピューピラリー・ディスタンス) の略で、日本語では「瞳孔間距離」といいます。
「Pupil」は「瞳孔」、つまり目の真ん中の黒目のことです。
簡単にいうと、左右の瞳の中心と中心の間の距離のことです。
メガネを作るのに必要な3つの数値
メガネを作る際には、なくてはならない数値が3つあります。
1つ目が「右目の度数」。
2つ目が「左目の度数」。
そして3つ目が、今回ご紹介する「PD」です。
では、皆さんのPDはどのくらいだと思いますか?
大人の平均は、男性が約64mm、女性が約62mmと言われています。
64mmというと、6cm4mmです。
ただし、これはあくまで平均です。
子ども用のメガネでは40mm台の方もいれば、大人でも75mmほどある方もいます。
このように、PDは一人ひとり違う数値なのです。
なぜPDがメガネにとって重要なの?
では、なぜ「目と目の間の距離」がメガネ作りにとってそれほど大切なのでしょうか。
メガネのレンズは、もともとはまん丸の状態です。
そこから、使用するフレームの形に合わせてレンズを削り、メガネを組み立てていきます。
このレンズには、**最も快適によく見える「中心(光学中心)」**があります。
メガネを作るときには、このレンズの中心が、メガネを掛ける方の瞳孔の中心とぴったり重なるようにレンズを削り、組み立てます。
もし、この位置が数ミリずれてしまうと、
- 見えづらい
- 歪んで見える
- 目が疲れる
といった原因になることがあります。
だからこそ、メガネを作るときにはPDを正確に測定することが大切なのです。
PD「64mm」の場合はどうする?
例えば、PDが64mmの方の場合。
この64mmを、頭の中で右と左に半分ずつ分けて考えます。
右32mm、左32mmです。
これは、顔の中心線から、
- 右目の中心までが32mm
- 左目の中心までが32mm
という意味になります。
そしてメガネを作る際には、この数値に合わせて、メガネフレームの中心から右へ32mm、左へ32mmの位置にレンズの中心がくるようにレンズを削っていきます。
さらにこのときには、目の中心がレンズのどの高さにくるのかについても測定し、合わせていきます。
このように、メガネは単に「度数の合ったレンズを入れる」だけではなく、一人ひとりの目の位置に合わせて細かく調整して作られています。
左右のPDが違う人もいます
PDは必ずしも左右が同じとは限りません。
例えば、
右33mm・左31mm
というように、左右で異なる場合もあります。
この場合は、左右それぞれの数値を別々に測定して、より正確にレンズの中心を合わせます。
つまり、PDは「64mm」など1つの数字だけで表す場合もありますが、左右それぞれの距離を測定して表す場合もあるということです。
PDはメガネ作りに欠かせない測定です
PDは、メガネを作る前の測定で必ず確認する項目です。
もちろん、眼科でも測定されます。
メガネは毎日身につけるものだからこそ、レンズの中心と瞳の中心をきちんと合わせることが大切です。
もしレンズの中心が瞳の中心に合っていないメガネを掛け続けると、見え方だけでなく、目そのものにも悪影響を与える場合があります。
「メガネがズレたまま掛かっているのは良くない」と言われることがありますが、その理由の一つも、レンズと瞳の中心が正しく合わなくなってしまうためです。
普段何気なく掛けているメガネですが、その一枚のレンズには、一人ひとりの目に合わせるための細かな測定と調整が行われています。
今回の「メガネのお話」では、そんなメガネ作りに欠かせない「PD」についてご紹介しました。